海を愛する人々の、共存共栄する
取り組みを志して
メニューはこちら↓↓
Okinawa Spearfishing Club
[沖縄県魚突き倶楽部]
※魚突き体験の募集は締め切りました。
出版
電子書籍
魚突き(スピアフィッシング)とは?
一般的に魚突きと言うと某バラエティ番組等で表現されるような「海に潜って魚を突く」そして、「とったどー!」というイメージをされるかと思いますが、まさにそのようなイメージです。
[ボンベを使わずに、素潜りで海に入り魚を突く。自分でとった魚を食べる]これが古来から伝わる魚突きです。これを世界共通でスピアフィッシングといいます。
豊かになった現代において、とても便利な世の中になった反面、日々の生活では中々、自然を感じる事が難しくなっています。そんな社会においても、魚突き(スピアフィッシング)は自然を学び、自然の恩恵を受け自然の中に生きるということを体感できる素晴らしいスポーツであります。
そして、「海」というのはまた、「生み」であり、生命の誕生した場所とも言われております。その壮大な大自然を肌で感じ、恩恵を受け食のありがたみを再認識できる食育の場でもあると考えております。そんな素晴らしい魚突き(スピアフィッシング)を世の中に広め、伝統を受け継ぎ、環境保全・食育について考える楽しい取組を、神の島である久高島より提供致します。
「沖縄県の漁業調整規則と今後の課題」
様々なスポーツや活動には決められたルールがあり、それを守ることで、安全に楽しく活動を継続する事が出来ますが、沖縄県の海域でも遊魚を楽しむ為に同じくルールがあります。
それは、沖縄県農林水産部 水産課のHPより「海のルールとマナー」
というページに詳しく記されております。
そこには、「沖縄県では、水産資源を保護し、漁業取締り及びその他漁業調整を図り、漁業秩序を確立することを目的として沖縄県漁業調整規則を定めています」記されています。
つまり、私たちが魚突きを楽しむ為には、沖縄県漁業調整規則に定められている漁具や漁法を把握し、それを守らなければいけません。では沖縄で魚突き(スピアフィッシング)を楽しむためには、どういう漁具漁法を用いれば良いのでしょうか?
沖縄県漁業調整規則 第40条より、以下
(遊魚者等の漁具漁法の制限)
第40条 漁業者が漁業を営むためにする場合若しくは漁業従事者が漁業者のために従事してする場合又は試験研究のために水産動植物を採捕する場合を除き、次に掲げる漁具又は漁法以外の漁具又は漁法により水産動植物を採捕してはならない。
(1)さおづり及び手づり(照明を使用するものを除く。)
(2)たも網及び叉手網
(3)投網(船を使用しないもに限る。)
(4)やす、は具(発射装置を有するもの及び潜水器及び簡易潜水器を使用するものを除く。)
(5)徒手採捕
(6)ひき縄づり
以上
(4)に記されている通り、遊魚者は発射装置のついている水中銃や、ボンベ等の潜水器具を使用して魚をとることが禁止されている事が分かります。
そして、使用するヤスに関しても決まりがあり、「よくあるお問い合わせ」のページに分かりやすく回答されておりますので確認してみてください。
以下
・ヤスとは、目的物を突き刺して採捕する漁具の一種で、漁獲物を突き刺す先端部と柄とは固着しており、柄を手に持って目的物を突き刺すものをいいます。
・柄の末端にゴムが固定された「ヤス」について、掌中から柄が飛び出さないものは発射装置とみなさず、遊魚者の使用を制限しないこととしています。
・ゴム、バネ等を利用して、柄又は銛先を、掌中又は漁具本体から発射する構造の漁具については、遊魚者の使用を認めていません。
以上
「銛先を、掌中又は漁具本体から発射する構造」というのは恐らくチョッキ銛という銛を指しており、その使用を制限するという事で、それからもう一つ、「掌中からヤスの柄が飛び出ないものは発射装置とみなさず」という表現は、
ヤスの柄が掌中から飛び出る程強力なゴムに改造された物の使用を制限すると言う意味になるかと伺えます。
確認のために水産課に電話で問い合わせてみたところ、とても親切に返答して頂きました。
その答えが、「釣具店等で販売されている手銛に関しては、使用が認められていますが、銛の柄に固定されているゴムをかなり強度なものに改造してあるものは制限される可能性があります」との事でした。
魚突きに関わる制限の殆どが曖昧な表現になっているのに気付いた方もいるかと思いますが、しっかりと現状をを把握する必要があると想い細かく掲載させていただきました。おおよそ、上記の事が沖縄県で健全に魚突きを行う為に制限されている決まり(ルール)になります。
しかし、一方ではそういうルールを一般遊魚者に対してもっと幅広く魚突きが出来るような制限に改善するべきだと言う声もあげられています。上記の漁業調整規則というのは、昭和24年~26年頃までに作られた漁業法及び水産資源保護法という法令に相まって作られたものであり、一部改正などの記録もありますが、時代の変化とともにしっかりと見直し新しく更新するべきではないかという意見です。
当時に比べて一般遊魚者の増えた現代では、漁業者との間に多くのトラブルが発生しているのが現状です。
上記の水産課HPにも「権利と習慣を同じ海域で共存させることが沖縄の海面利用の課題となっています。」と記されています。
というのは、遊魚者が魚介類を乱獲したり、漁業者の漁業の妨げになる事や、漁船との衝突事故等のトラブルがあげられるのではないかと考えています。このように時代の変化とともに海域で起こるトラブルを防ぐ為にも、同じ海域を利用する双方お互いで話し合い、共存する為のその時代にあうルールへと進化させるべきだと思うのです。これは我々一般市民や、社会に対して魚介類の提供や、環境保全に勤めてくれている漁業関係者に対して敬意を示し尊重する事にもなります。
ちなみに他国の事例ではありますが、世界で初めて魚突き(スピアフィッシング)に関する法律を作ったサイパン島でその当事者に会って話を聴いて来た事がありますが、
サイパンでは漁業権というのがなく誰でも自由に(水中銃でも)魚突きを楽しむことが出来ます。
それでも、一般遊漁者は漁業関係者と地域の方を尊重し、話し合いをもって「お互いに安全で、かつWIN WIN」になるようなルールを決めてスピアフィッシング事業に取り組んでいます。安全面においてスピアフィッシングを行う者は、必ずブイを装備し、漁船はブイを迂回すると行ったルールを決め、それがそのまま法律になる等、海域を利用する全ての方々が前向きに問題と向き合い改善し、安全で楽しく海を利用する事が出来ています。
その他の国でもスピアフィッシングを行う者は年間遊魚パスを2500円程度で取得して(自治体の収入になる)自由に行うことが出来るといったルールや、禁漁区域を大きく定める等して漁獲量の制限を図る取組等も行われています。
ところが日本においては、遊魚者の行う魚突き(スピアフィッシング)に対しては後進国で理想な環境とは言えません。だからこそ、ここ沖縄から遊魚者の行う魚突きを前向き捉え考えて頂き、漁業者と遊魚者との間に生じる海面利用の課題が改善されれば、新たな産業になりうるとも考えられますし、漁業者の後継者の輩出にも繋がる可能性もあります。
魚突き(スピアフィッシング)を通して、「環境保全にも考慮し、漁業者の利益にもなり、地域振興にも繋がる」良い方法は絶対にあると思います。私たちの活動が、その方法を考えるきっかけとなれば幸いであり、その実現に向けて取り組んで参ります。
◎初志貫徹
「海を愛する人々の共存共栄する取組を志して」
沖縄県魚突き倶楽部 代表 吉田大志